リアルタイムFXソフトウェア EmberGen を試してみました

11月6日、リアルタイムFXソフトウェア『EmberGen』のα版が公開されたので早速ダウンロードし試してみました。

 

 

発売元はゲームエンジン向けのソフトを開発しているアメリカのJanga FX Softwareと言う会社さんになります。

リアルタイムFXソフトウェア EmberGen を試してみました

こちらがα版が公開された際のTweetです。流体や煙、爆発のシミュレーションをリアルタイムで生成するソフトウェアで、以前からTwitterを見ていたのですがやけにリアルで凄いなと注目していました。

EmberGen α版のダウンロードは本家サイトから

EmberGen: Real-Time Fluid Simulations

本家のサイトに行きまして、メール登録をするとダウンロードサイトが案内される仕組みとなっています。無料でダウンロード出来るので是非試してみましょう。

 

α版公開に合わせて動画の公開も行われていました。

早速起動

笑ってしまったのが、ソフトを起動するといきなり爆発が始まっており、このソフトのやる気が伝わって来ます笑

 

基本的な燃焼のセットアップなどは、全て完了済みなので画面左側にあるパラメーターだけで設定を行います。自分が感じたのは、HoudiniのPyroを簡単にした感じですね。

 

こまけえ事はいいんだよ『とにかく燃やせ!!』と言うのが伝わって来るソフトだと思います笑

 

画面内ですが、この様な構成になっています。直観的に操作、プレビューで確認が出来るのでとても楽しいです。EmberGenでもノードベースが採用されています。

 

自分のPCではプレビュー画面に即座に変更が反映され、モタツキや遅れなどはほぼ感じる事はありませんでした。本当に凄いなあと感じました。

Embergen  α版なので制限あり

ダウンロードデータ内に、注意書きのPDFが同梱されており、EmberGen α版と言う事で機能制限が結構入っています。

 

Ctrl Zが効かないのに衝撃を受けたのですが、α版だからと言う事です。

 

実際の製品版は、以下が使える様になるので安心ですね。

製品版追加機能

A node graph with the following features:

Multiple emitters(複数のエミッター配置)

Animated cameras/multiple cameras(カメラのアニメーション、複数配置)

Multiple lights(複数のライト配置)

Texture packing channels for exports(テクスチャのエクスポート)

Color gradients & curve editing.(カラーカーブ、グレーディング可)

Singular Image Sequence/Video Outputs(画像、ビデオアウトプット)

EXR, TIFF, TGA, MP4, OpenVDB exports (Currently only PNG is supported,
and we will have these other image formats integrated soon.)

(EXR, TIFF, TGA, MP4, OpenVDB のエクスポート)

Mesh Imports (メッシュのインポート)

Meshes as emitters (メッシュをエミッタとして可)

Meshes as colliders (メッシュに衝突判定可)

Separation of bounding box size vs voxel resolution(バウンディングボックスとボクセル解像度の分離可)

Undo/Redo (戻す、やり直しの可)

Preset Library/Manager/Viewer (プリセットライブラリ、マネージャー、ビューアの実装))

UI polish pass with icons & tool tips (UI、アイコン、ヒントの改善)

Preferences menus (環境設定メニューの搭載)

Caching simulations (シュミレーションキャッシュの実装)

Better timeline controls (タイムラインコントローラーの改善)

And other minor quality of life things (その他の機能の改善)

現在ざっと試した際に、タイムラインが滅茶苦茶見づらいので大幅に改善をしてもらいたいですね。

 

あと、可能であればオブジェクトを動かす際にパスに沿うなどがあるとより使いやすいかなと思うので実装をしてくれると嬉しいなと思いました。

EmberGen 書き出し可能データは?

  • Final Renders
  • Emissive
  • Motion Vectors
  • Normal Maps
  • 6 Point Lighting Data
  • Smoke Channel
  • Fire Channel
  • Alpha
  • Depth
  • Albedo
  • Temperature
  • OpenVDB (soon)
  • And more to come!

製品版として、上記のデータのエクスポートが可能となっています。VDBも後々利用出来る様になるんですね。

 

初期設定での書き出しの場合は、スプライトシートとして書き出しを行ってくれる様です。

ゲームでの使用前提の設定ですが、使い方次第では映像にも使えると思いますね。

プリセットデータが22種類収録

α版にはプリセットデータが標準で22種類収録されていました。興味のある方は、色々とファイルを開いて試してみましょう。

 

file → Open Preset で全22種類が確認出来ます。ファイル名を見るとどんな感じなのかが分かるかと思います。

 

fire_tornadeを開いてみました。

画面上部にある、ノードを選択しパラメーターを表示し設定をすると、リアルタイムで炎のシミュレーションが変化をします。動きも軽快でとても良いです。

 

シミュレーションの発生源となるEmitterのパラメーター。

シンプルでとても分かりやすく、ここを動かせばこうなるんだろうなあ…と言うのがパラメーター名だけで分かるかと思います。

 

こちらは、Simulationのパラメーター。

HoudiniのPyroあたりを触れた方であれば、良く見る

 

『Temperature(温度)』

『Combustion(燃焼)』

『Dissipation(消失)』

『Buoyancy(浮力)』

『Cooling(冷却)』

『Fuel(燃料)』

 

などがあるのが分かるかと思います。

 

PCで爆発燃焼を起こす際ですが、以下の考え方が重要になるので、HoudiniのPyroの流れを一度勉強をしておくと理解が早まるかと思いますね。

 

Twitterをさかのぼっていると、Houdiniでベクターフィールドを作成しEmberGenに取り込むなどをされている方もいたので、時間を見て試してみようかなと思っています。

 

レンダーで面白いセッティングが

Visualizationのレンダーの箇所に面白いセッティングがデフォルトで入っていました。

 

Rendering Styleとして、『Realistic』『Cartoon』『Kuwahara』と言う物が標準で3つ入っています。比較をしてみました。

 

デフォルトの設定なのですが、結構いい感じに仕上がっていますね。今ゲームではCartoon調などもちょこちょこ使われるので、嬉しい仕様なのではないかなと思っています。

 

Kuwaharaって、日本人の名前だよな?と思って調べた所、油絵調の見た目になるフィルターの事なんですね。恥ずかしながら全く知りませんでした…。

https://en.wikipedia.org/wiki/Kuwahara_filter

 

背景なども、『チェッカーボード』『無し』『ノイズ』など3種類から選べるので用途により使い分けてみましょうね。

気になる EmberGen の値段は?

α版が提供になったEmberGenですが、今後 Beta版、製品版の発売と、3ステップで開発が進んで行く様です。

 

気になるソフトの値段ですが、現在以下の様になっています。

 

EmberGen(個人の場合)

Indie Monthly – $24.99

Indie Annual – $239.99

Year 2 – $191.99

Year 3 – $143.99

 

EmberGen(法人の場合)

Studio Monthly (Node) – $119.99

Studio Floating Monthly – $199.99

Studio Annual (Node) – $1,399.99

Year 2 – $1,119.99

Year 3 – $839.99

Studio Floating Annual – $2,299.99

Year 2 – $1,839.99

Year 3 – $1,379.99

 

1年分購入をすると、現バージョンの永久ライセンスを付与されるとの事なので、興味のある方は是非購入を申し込んで下さいね。今回のα版をダウンロードすると、添付のPDFにアーリーバードとして15%ディスカウント可などの記載もあったので要チェックです。

 

ざっと簡単にですが、気になっていた、EmberGenの事を記載してみました。

 

簡単、早い、安い FX界の吉野家になるのではないかな…と。

 

今後の製品版の発売に期待をしたいと思います。是非皆さんもダウンロードをして楽しんでみて下さいね。

 

 

Pyroの基礎にはこちらの本がオススメです。

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